月は素顔。そして私たちはあらゆる星の仮面をかぶる。-月は無意識のシンボル-【占星術と心理学のはなし】
今回は心理学と占星術と月のおはなし。占星術には、単純に過去や未来を予想したり性格判断をする「吉凶占い」にとどまらない心理学的な側面もあります。
ユング心理学と占星術の関係性を研究している代表的な占星術師にリズ・グリーンさんという方がいます。彼女が考察した心理学的な占星術のアプローチは日本では「占星学」や「心理占星術」と呼ばれていますよ。
ちなみにリズ・グリーンさんの著書「占星学 」は日本では鏡リュウジさんと岡本翔子さんの翻訳により出版されています。
今回は「月」が司る私たちの「素顔」の占星学的な解釈をお伝えしていきたいと思います。
月は私たちの核であり素顔。
月は私たちが生まれつき備えてる“素顔”です。生まれてから7歳くらいまでが「月の年齢域」とされており、だいたい小学校に上がる前くらいまでは素顔のまま、ありのままで生きてることになりますね。
そして私たちは成長していく過程で役割に応じてさまざまな仮面をかぶる術を身につけていきます。この「仮面」はユング心理学では「ペルソナ」と呼ばれています。
たとえば。言葉を覚えはじめると、身内以外の他者に自分の思ってること、感じてることを伝えるために「水星のペルソナ(仮面)」をかぶることを覚えます。そして思春期になって女子力や恋愛力を発揮する場面では金星のペルソナ(仮面)をかぶり、社会人となって仕事している時は土星のペルソナ(仮面)をかぶる。この人生をより自分らしく生き抜くためのメインとなるペルソナ(仮面)は「太陽星座」が表しています。子どもとしての自分、生徒としての自分、社会人としての自分、妻であり母である自分…。大人になるにつれて自分の「役割」は増えていきますが、それと同時に仮面の数も増えていくのでしょう。
余談ですが、思春期の頃に男子の前でだけ態度が変わる女の子とか、先生の前でだけいい子になる子を見て「けっ、ぶりっ子が」って思ってたけど、今にして思えばそうやって仮面を器用に付け替えられる子たちが羨ましかったんでしょうね…。
「仮面をかぶる」なんて書くと、「え?ほんとの自分を偽ってるの?」ってネガティブにとらえる人もいるかもしれませんね。しかしながら、この社会の荒波に素顔のまま飛び込んだら大変なことです。
ありのーままのー姿みせーるーのよー、なんて歌がありましたが、ありのままの自分(=月)で外の世界に飛び出してったらズタズタに傷つくこと間違いなしですから。
新月生まれの葛藤とは?
しかしですね、そうやってありのままの姿で社会の荒波に立ち向かおうとして葛藤を覚える人々がいます。
それが新月生まれさん。
新月生まれさんは太陽星座と月星座がピタリ同じなので、素顔と社会のなかでかぶる仮面が重なってしまうってことなんです。素顔のままで生きようとするから、葛藤が生じやすいみたいですね。
たとえば、わかりやすい例を上げるなら女優の沢尻エリカさん。正確に言うと新月の1日前生まれですが、月も太陽も牡羊座にあります。
10年くらい前の沢尻エリカさんの騒動を思い返せば、やはり「自分を偽れない=仮面をかぶることができない」人だったのでしょう。
ただし、星の活かし方は年を重ねるごとに磨かれていきますからね。新月生まれがずっと葛藤を抱えて生きているわけではありません。今はちゃんと社会に向けての仮面をかぶれるようになったのかもしれませんね。
仮面はTPOに合わせてかぶりましょう
ユング心理学では「舞台を離れてもその仮面を外せないひと」を問題視しています。自分の核となる月の領域を守るため仮面を使いわける術を身につけたら、今度はちゃんと「月が表す素の自分」に戻っていく事も忘れないようにして下さいね。
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